まちのこぼれ話〈溝口・久本・坂戸地域〉

 

物納の時代

小川 八重次さん
(おがわ やえじ さん)

昭和2年生まれ 89歳
川崎市高津区久本在住

久本の農家に生まれた小川さん。
地域の様子や子どもの頃の祭りの様子などについて伺いました。
(平成29年10月20日)

小川 八重次さんの写真

物納の時代

  

私の家は久本に広く田んぼを持っていて1町2、3反は持っていたと思います。田んぼは、小作人さんに貸していました。当時は土地の賃料は、収穫した米や麦など、物納の時代だったんですね。現金よりも米・麦が大切な時代だったんです。毎年暮れになると、大きな手車に3、4俵のお米や麦を小作人さんが積んで持ってきてくれたんです。

次第に戦火の波が

 

 昭和12年頃、久本全域と坂戸の一部が軍需工場を作るために国に買い取られたため、農業ができなくなり大変でした。だんだんに戦火の波がやってきていたのです。その後、池貝鉄工所、三豊製作所、日本光学、東京衝機などが続々と入ってきて、道路は従業員の通行でいっぱいでした。

角灯篭が光り、祭りが始まる

 

 戦後3、4年だったでしょうか、前夜祭には旅芸人が来て、子どもと多くの若者たちで見ましたね。祭りの前から角灯篭が3m位の間をおいて、神社の道に沿って立られていました。灯篭に光が入ると祭らしく感じましたよ。お小遣いをもらえるのが一番の楽しみでした。(PDF版の抜粋です)

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