まちのこぼれ話〈溝口・久本・坂戸地域〉

 

二ヶ領用水にはカワウソがいたし、蛍もいました

村田 昭二さん
(むらた しょうじ さん)

昭和2年生まれ 90歳
川崎市高津区溝口在住

10年前までこの地で米屋を営んでいた村田さん。
子どもの頃のお話や昔の二ヶ領用水などについて伺いました。
(平成29年8月7日)

村田 昭二さんの写真

中学から予科練へ

 

 中学を卒業する少し前に予科練に行くことになりました。昭和18年、16歳の時ですね。親元を離れるのが寂しいなんて、そんなことは考えたこともなかったです。皆ね、お国のために戦うんだって、そういう志で志願していくんだからね。徴兵は私たちの年が最後だったんじゃなかったかね。私は長男で跡取り息子だったから、それでもいいのかと聞かれましたが、弟がいたから大丈夫ってことでね。

帰郷

 

 汽車で、横浜まで帰ってきたら終電が出た後だったんで、横浜駅で一晩過ごして翌朝帰ってきました。その時この家はね、強制疎開させられてましてね。二ヶ領用水から現在の大山街道ふるさと館の場所にあった隣の役所のところまでは敵に狙われるかもしれないってことでね、強制疎開です。
 この表通りの建物はね、5月5日に皆壊されちゃったって聞きました。家族は二子のほうで暮らしてましたんで、そちらに帰りました。

自然の様子

 

 この辺は自然がいっぱいでしたよ。二ヶ領用水があるでしょう?今みたいに護岸などなくて、もっと曲がりくねっていてね、綺麗で眺めも良くて、生き物もいっぱいいました。カワウソがいたし、ホタルもいた。シジミが採れた。魚もいましたよ。
 多摩川ではアユ、二ヶ領ではハヤがよく釣れたね。モクゾウガニっていう蟹も獲れて、これが肉もカニミソもおいしいんだよ。 (PDF版の抜粋です)

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