まちのこぼれ話〈子母口・明津・蟹ヶ谷・久末・野川〉
歩いてお嫁入り
森 郁子さん
(もり ふみこ さん)
昭和8年生まれ 83歳
川崎市高津区久末在住
久末で生まれ育った森さん。
自給自足の生活や今も風習を大切にしているお話などを伺いました。
(平成28年11月14日)
素足で小学校へ通う
小学校は4年生までは橘小学校、5年生で野川小学校に転校しました。
今は舗装されバスが通っている道も、当時は、道幅も細く砂利道でした。駒下駄かぞうりを履いて学校に通っていたので、雨が降ると裸足で行きました。だから学校には足の洗い場があったんです。学校につくと、まずそこでじゃぶじゃぶ足を洗ってから教室に入りましたよ。
自給自足の生活
野菜やお茶の他に、味噌も醤油も自分の家で作っていました。醤油は搾ってくれる人が来てくれて、搾った醤油の色は薄くてしょっぱかったですけどね。麹も家で作りました。
小学校の頃に何を着ていたかはあまり覚えていないんですが、今でいう四つ身(4,5歳から10歳くらい子どもが着る着物)に三尺しめて、学校に行きました。そのうち洋服でも行くようになって。姉が器用で縫物が好きだったんですね。おばあちゃんの着物をこわして6枚ははぎのスカートを作ってくれたことはよく覚えています。
共同出資で作った「久末マーケット」
この地域にお店がなくて不便だったので地域住民で出資して株式にして「久末マーケット」を作りました。
今も八百屋さんとお菓子屋さんは残っています。歩いていけるお店は有難くて、お菓子屋さんで食べたいパンを買ったりしていますよ。魚屋さん、乾物屋さんも以前はあったけどなくなってしまいましたね。
(PDF版の抜粋です)