まちのこぼれ話〈久地・宇奈根・北見方・下野毛地域〉
家業は農業と瓦屋の二本立て
吉田 豊さん
(よしだ ゆたか さん)
昭和8年生まれ 85歳
川崎市高津区北見方在住
農家と瓦屋の家に生まれた吉田さん。
家業を手伝った子どもの頃のお話などを伺いました。
(平成30年7月20日)
ご家族と家業のお話を
私は男3人女4人兄弟の一番上です。家業は農業と瓦屋の二本立てでしたから、とにかく私ら兄弟も手伝いで忙しかったですよ。子どもだって、物ごころがついたら、家業の戦力ですから。
うちには4、5人の職人さんがいて、土をこねてプレスして瓦の形を作るのを、小さなときからよく見ていました。
中学校や高校時代は
修学旅行は、京都や奈良へ普通列車で行きました。1学年5クラス200人が皆5合のお米を持って行くのです。当時は食糧難で米を持参しないと旅館が泊めてくれなかったのです。
祭りの様子
終戦後は、さすがにうちのような農家でも食糧難でした。その頃に覚えているのが、木瓜(ぼけ)の花の蜜を吸ったり、とうもろこしの芯をかじるとほんのり甘くてね。
町内で「進駐軍の払い下げ物資の開放があるよ」と声を聞くと、バターやチーズ、携帯食などを取りに行きました。南武線と平行に軍用線路があって、その上を走る軍用列車に乗っている米兵に手を振ると、お菓子が飛んできましたっけ。(PDF版の抜粋です)