まちのこぼれ話〈久地・宇奈根・北見方・下野毛地域〉
九死に一生を得る
黒川 金次さん
(くろかわ きんじ さん)
大正12年生まれ 95歳
川崎市高津区北見方在住
9人兄弟の1番上に生まれた黒川さん。
小さい頃の思い出や戦時中の経験などについて伺いました。
(平成30年7月6日)
小さい頃の思い出は
家が農家でしたから両親の仕事を皆で手伝いました。米や麦はもちろん、野菜は大根、カブ、人参、果物は桃を作っていました。忙しくてねえ、友達と遊んだことや、兄弟で仲良く遊んだ思い出はありません。
戦争の色が濃くなると
小学校が終わると、農家の子や丁稚奉公の子はほとんど高津青年学校に行きました。強制ではないですが、週1回の昼間の授業と週3回の夜学で、農家を手伝いながら通いました。鉄砲について勉強したり、運動も柔道や剣道など自由に選べて稽古するのですが、私は好きな剣道を選びました。
ついに召集令状が
昭和17年20歳のときに、兵役検査で甲種合格し、翌年21歳の12月1日に召集令状が来ました。甲府の49連隊に入隊しました。輸送船に乗って上海から移動するとき大変な目に遭いました。魚雷を受けて撃沈されたのです。少年兵で助かったのは私ともう一人だけでした。撃沈されても軍艦「朝風」と「朝露」が助けにきてくれたのです。私は「朝風」に救われました。(PDF版の抜粋です)