まちのこぼれ話〈久地・宇奈根・北見方・下野毛地域〉

 

昭和23年、シベリアから帰国しました

遠藤 尚次さん
(えんどう しょうじ さん)

大正15年生まれ 92歳
川崎市高津区久地在住

代々農家を営んできた遠藤さん。
子どもの頃のお話や戦時中のお話などを伺いました。
(平成30年9月25日)

遠藤 尚次さんの写真

子どもの頃の思い出

 

 夏になると、イナゴなどの虫を採って、それを鶏に食べさせるといい卵を産むわけですよ。鶏は20羽くらいいました。みんな放し飼い。上の方に棚を作って、夜になると鶏たちはそこに乗っかって、昼間になると下に降りてきていたね。産んだ卵は全部うちで食べていた。放し飼いだから卵をどこに産むかわからない。気が付かずに古くなっていたこともあった。

戦争へ

 

 19歳で徴兵検査。溝口の田園都市線と南武線の駅との間に広場があり、部隊はその広場に整列して、軍用列車に乗って戦地に行った。私の乗る列車には北支派遣軍要員って貼ってあったから、「北支へ行くんだなあ」ってね。終戦間近、本土防衛のためと、朝鮮まで戻ったら、ロシア軍にみんな連れて行かれちゃった。

日本へ帰国

 

 昭和23年、帰国しました。ナホトカから舞鶴港に着いて、そこで3~4日いろいろ聞かれたり、身体検査に行ったりして、それから帰ってきました。あの時、200円くらいもらったんです。「ああこれで家が建つ」なんて思いました。私が兵隊に行ったときは100円で家が建ったからね。ところが汽車に乗って、サツマイモを買ったら100円取られちゃった。もう、全然、感覚が違うんですよね。(PDF版の抜粋です)

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